怪木蒐集家 FILE No.4|モンキーポッド
ある日、お客様からこんな依頼を受けた。
「せっかく一枚板を選ぶなら、少し変わったものが欲しい。」
それは、怪木蒐集家の出番だった。
製材所を巡り、何十枚もの板と向き合う。
美しい木目の板は数多くある。
けれど、ただ綺麗なだけでは心は動かない。
そして出会ったのが、この一枚。

モンキーポッドの中心に現れた、不思議な紋様。
楕円を描くように重なった木目は、まるで大きな瞳のようにも、何かの気配のようにも見える。
自然が何十年、何百年という時間をかけて描いた偶然の造形。
人の手では決して生み出せない、木だけが持つ表情だ。

一枚板を選ぶということは、家具を選ぶだけではない。
その木が歩んできた時間や、そこでしか出会えない景色を迎え入れることなのかもしれない。
このモンキーポッドもまた、新しい暮らしの中で静かに物語を刻んでいく。
どこかで今も、誰かがこの「瞳」と目を合わせ、心を奪われているのだろう。

蒐集家記録
樹種:モンキーポッド
状態:中央に異形杢・濃淡強め・耳付き
第一印象:静かに見つめ返してくる一枚。木の奥に、もうひとつの世界があるようだった。
発見日:2025年1月某日

